2月24日にグランフロント大阪で開催された「オープンデータ・ビッグデータカンファレンス」に行ってきた。
イベント概要
主催は大阪市。公式ページには以下の通り説明されている。
大阪市では、ICT業界だけにとどまらず、製造、運輸、観光、販売、医療・介護、教育をはじめ各種サービス業を対象に、オープンデータやビッグデータのビジネスにおける活用事例、例えばオープンデータと独自調査データを組み合わせて提供される新たなサービスなどについて紹介し、民間での活用を促すことで新たなビジネス創出につなげることを目的として、オープンデータ・ビッグデータ カンファレンスを開催します。
オープンデータとは
行政が保有する地理空間情報、防災・減災情報、調達情報、統計情報などの公共データを二次利用可能な形(二次利用が可能な利用ルールかつ機械判読に適したデータ形式での公開)で民間へ開放したもの。
ビッグデータとは
ICT化の進展により生成・収集・蓄積が可能・容易になる多種多量のデータ。
イベントレポート
13:15 会場入り
開始15分前に会場入りしたが、既に多くの人が座っていた。予想していた以上の大入りにちょっと驚く。
13:30 開会挨拶
大阪市総務局ICT戦略担当部長の宮越氏から開会の挨拶の後、大阪市のオープンデータに関する取り組み内容の説明がされた。
説明の中で、大阪市がオープンデータのカタログサイトを制作しており、3月中の公開を予定していると発表があった。
これは要チェック。
13:35-14:15 基調講演<第1部>
消費者行動の変化とビッグデータの活用
基調講演の第1部は、経済アナリストの森永 卓郎氏。
冒頭、ライザップの体験記から始まり、どうなる事かと思ったが、そこはやはり教授先生。
終戦直後から高度経済成長期を経て、現在に至るまでの消費者の状況の変化(企業戦略による出生率の低下、横並び消費など)を説明し、これから多様化するニーズに答えるために必要なものがビッグデータの活用だ、という感じで結び付けていた。
(この辺の話は、森永先生の著書「<非婚>のすすめ」と重複してるところもあったので、気になる方は参考までに)
森永先生が語るビッグデータ活用事例
具体的なビッグデータの活用事例として、以下を紹介されていた。
- 消費者ニーズの解析(どういったものを欲しがっているか)
- コンビニのポイントカード使用普及による対個人営業の未来
- 面接でした質問とその後の働き方の統計データによる人事戦略
- ライザップの個別トレーニングプラン
まさか冒頭のライザップがここで繋がるとは…このおっさん、やるな!と思っていたら、「時間なので終わります」って突然の終了宣言!
(大学教授か!)って突っ込みそうになったけど、よく考えたら大学教授だった。
14:20-14:50 基調講演<第2部>
伊藤久右衛門のデータ活用術~データがもたらした経営(開発)戦略~
次は株式会社伊藤久右衛門 経営企画部部長 広瀬 穣治氏。
『伊藤久右衛門』について
京都の宇治にある、創業180年を超えるお茶屋さん。
鎌倉時代から生産されていたとされる宇治茶業界ではベンチャー企業と呼ばれているらしい。
伊藤久右衛門のビッグデータ活用事例
さすがにベンチャーを名乗るだけあり、主な収益はオンラインによって得ているらしい。
ビジネスモデルを簡単に説明するとこうだ。
- オンラインで「伊藤久右衛門」の認知度を上げる
- 実店舗へ誘導する
- SNSによる拡散誘導
よくある実店舗型のWEBマーケティング手法である。
2013年に京都駅前店をオープンするにあたり、様々な実証実験をされたようで、具体例としてオープンデータ・ビッグデータを活用した効果的なDMについて話をされていた。
国勢調査の人口データをはじめ、各種データをレイヤー化し、DMを配布する地域を絞り込むという手法だ。
データの活用で、従来より費用対効果の高い販促が可能になったのだと言う。
オープンデータ・ビッグデータ活用における重要な2つの要素
広瀬氏の話を私の主観で要約すると重要な要素は以下の2点。
- 複数のデータを掛け合わせてユニークに質を高めること
- 社内の情報基盤(土台)作り
会社員時代から思っていたが、2点目がどうしても難しい。
広瀬氏曰く、情報基盤を作るには以下の3つのステップがあるらしい。
- 有効性や方向性を探る
- 課題の見える化と順位付け
- 新たな業務プロセスの導入
さいごに
オープンデータ、ビッグデータは今後のビジネスに必要な要素である。
活用方法はもちろん、収集・管理方法についても考えたいと思う。
参考リンク
統計局ホームページ
http://www.stat.go.jp/index.htm
ODI Osaka
https://theodi.jp/