今回の本は「Web業界受注契約の教科書」(高本徹/藤井総 共著 2015/7/4 第二版)。
Webディレクターと弁護士が書いてるのが特徴で、Web業界の実情を例に、しっかりと法律に基づく契約書の作成ポイントを紹介してくれている。
さらに、付録のCD-ROMでサンプルの契約書フォーマットが提供されており、内容を理解した後であれば、自社用にカスタマイズして使用することも可能。
購入した理由
これまで個人では小規模のサイト制作しかやってこなかったので、受注制作の流れとしては“見積書を提示→制作→請求書を送付→領収書の発行”だった。
おおまかなフローではなく、ガチでそれだけ。
書類も「見積書」「請求書」「領収書」の3種類しか使ってなかった。
会社を辞めて独立するなら、契約関係はちゃんとしたいと思った時にAmazonで探して購入。
レビュー
前半はベテランのWebディレクターがこれまでのトラブル事例を紹介し、後半で弁護士がそれぞれのトラブルケースにおいて、主な原因、契約書で回避すべき内容を解説するといった流れ。
まず、経験の浅いWeb業界初心者にとって、前半のトラブル事例はかなり役に立つ。
ベテランのWebディレクターが経験談を踏まえ、いろいろなパターンのトラブル事例を紹介してくれるため、初心者が思いつかないような落とし穴に気付くことが出来る。
まさに“転ばぬ先の杖”と呼ぶに相応しい内容である。
後半では弁護士がケースに応じた、トラブルの原因となる契約の失敗ポイントと、受注者/発注者それぞれの立場で理想の契約内容はどういったものかを解説してくれる。
この本を読むまで、クライアントから提示された契約書に対して、修正を依頼できることも知らなかったし、契約書によって、こちらが思っている以上の責任を負わされる可能性があることも知らなかった。
これまではたまたまクライアントに恵まれていただけだったと実感したので、これからの新規契約の際は、本書をまた読み返したいと思う。
キーワード
以下のキーワードについて少しでも不安があれば、本書を読み返すこと。
- 検査
- 瑕疵担保責任(かし―)
- レンタルサーバーや外部APIの使用
- 秘密保持契約書
- ソフトウェア開発委託契約書
- ソフトウェア保守契約書
- ソフトウェア使用許諾契約書