会社で開発環境を見直そうかなーと思って、ちょっと調べてみたので、そのメモ。
業務に適用できるか?
まずネット接続が必須になるので、オフラインでの業務には使えない。
なので、オンライン環境で開発できる業務であることが前提条件。
セキュリティ的な問題でオフライン環境でしかできない開発は今回は除く。
導入コスト
同じようなサービスにMicrosoft AzureのWindows Virtual Desktopがあるが、大規模ならともかく、中小零細だと比較にならないのでパス。
規模的コスパで、今回はAWS WorkSpacesを採用する。
料金 – Amazon WorkSpaces | Amazon
https://aws.amazon.com/jp/workspaces/pricing/
利用時間の仮定
1日8.5時間 × 20日として、月170時間使うと仮定する。(実働8時間+就業時間前後のバッファ30分)
リージョンの検討
実際体感してはいないけど、一般的に近い方が応答効率が良いとのことなので、東京リージョンで考える。
月額課金か時間課金か
東京リージョンなら、ざっくり以下の感じ。
月額課金の場合(1台)
- ストレージ256GB メモリ16GB(Windows) … 12,500 円 / 月
- ストレージ256GB メモリ32GB(Windows) … 18,500 円 / 月
時間課金の場合(1台)
- ストレージ256GB メモリ16GB(Windows) … 18,500 円 / 月
- ストレージ256GB メモリ32GB(Windows) … 35,500 円 / 月
上記の利用時間であれば月額一択。
というか、時間課金の料金設定おかしくない?16GBと32GBの差よ(笑)
時短で働く人もいるので、月額課金と時間課金の分水嶺も考えてみる。
- ストレージ256GB メモリ16GB(Windows) … 103時間未満 / 月 → 時間課金のが安い
- ストレージ256GB メモリ32GB(Windows) … 82時間未満 / 月 → 時間課金のが安い
マシンによって月額か時間かで分けられるかは今の時点では未確認。
他にかかるコスト
AWS CloudTrail
モニタリングは必須。
なのでAWS CloudTrailも使いたい。
具体的にどういったイベントが取得されるかまでは分からないので、定量的な出し方はやらないけど、料金説明に書いてあるほとんどのアカウントで、毎月 3 USD 未満というのを信じてみる。
アカウント=会社かもしれないけど、アカウント=ユーザーで考えて最大数としておく。
- 1ユーザー … 300 円 / 月
Office365
仕事には欠かせないので、Officeのアカウントも含める。
セキュリティ的に問題ないなら無料のWeb版でもいいかもだけど。
そもそもWorkSpaces使うならネット接続は必須なわけで、別にいらないかも。
- 1ユーザー … 1,300 円 / 月
導入のための人件費
もろもろ設定のための人件費。
多めに見積もって1人月取っちゃおうかな。あくまで導入までね。(仮運用以降は別)
インフラエンジニアの平均月収が44万円らしいので、それくらい。
まとめ
- 導入 … 440,000 円(人件費・1人月)
- 月額 … 20,000 円/ユーザー(32GBの方)
エンジニアが30名ほどいたとして、月60万円。
年間だと720万円。
一見高そうに思えるけど、さらに考察してみる。
コストパフォーマンス考察
開発環境周りはムダな時間を使うことが多い。
- マシンスペックによる処理待ち時間
- 新しいプロジェクトが始まるたびに環境構築
- 人が増えるたびに環境構築(構築する人と教える人で2人分)
- 人が増えるたびにパソコンの仕入れ
- 突然機嫌の悪くなるPC
- 不調の原因を探るために集まる人々
- マシンスペックを上げろという陳情とその対応(陳情する人と対応する人で2人分)
処理待ち時間だけでも、ひどい環境だとビルドに5分とかかかるので、1日のうち1~2時間ボーっとしてる場合もある。
例えば人月単価が100万の会社だとしたら、1人1時間あたり6,250円の価値があるわけで、それと比較してWorkSpacesの月20,000円をどう見るか。
- 人月単価が100万なら、月3.25時間分、上記のムダ時間がなくせそうか?(1日10分ほどムダがなくなるか?)
- 人月単価が50万だとしても、月6.5時間分。(1日20分ほどムダがなくなるか?)
- 月25万の給料で考えても、月13時間分。(1日40分ほどムダがなくなるか?)
こう見ると、かけたコストをペイできるハードルは、かなり低いと思われる。
↑は回りくどい言い方したけど、つまり、コスパめっちゃ良さそう!って感じ。
あとは実際に導入してみてかなー。
ただしGPU載せると途端に高くなる
AWS WorkSpacesの料金表を見てみたら、GPU搭載版の料金が何かの間違いなんじゃないかと思うほど異様に高かった。
月額
- ストレージ200GB メモリ15GiB GPU 4GiB(Windows) … 100,000 円 / 月
時間課金(170時間)
- ストレージ200GB メモリ15GiB GPU 4GiB(Windows) … 46,000 円 / 月
なんでやねん!(笑)
GPUない版だと月額課金の方が安かったのに、GPU版だと時間課金の方が圧倒的に安い。
総括
AWSの料金設定は、なんかおかしい。